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「はぁっ……はぁっ……」
やっと揺れが収まった翔は、顔を上げている。
「あれ……? 皆は……?」
辺りを見回してみるが、三人の姿が見えない。それどころか、町から人気が消えていた。
「何がどうなってるんだ……? 取り敢えず他に人がいないか探すか……」
翔はふらふらしながら立ち上がると、歩きだした。
しばらくの間、当てもなく歩いていたが、それでも人は見当たらない。どころか、空を飛ぶ鳥や何時もならば見かけるはずの野良猫さえも見つけることが出来なかった。
「誰もいねぇ……」
どれくらい歩いただろうか、翔がさすがに疲労を感じて愚痴りながら座り込もうとした──その時。
──────ッッ!!
突然少し離れた所で爆発が起こり、その衝撃が翔を襲った。
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