第一章 揺らめきと予兆

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「何だ裕貴(ひろき)か……。こんな朝っぱらからうるさい。ただでさえ寝起きでボーッとしてるってのに……」 『それは悪かった……って違う!お前いつまで寝てんだよ! もう朝じゃなくて昼前だ! あと迷惑そうな声出すよりむしろ起こしてやったことに感謝しろよな!』  裕貴と呼ばれた電話の相手は怒りと呆れが入り交じっている感じで話す。若干、怒りの度合いが高い様な気もするが。  そして、確かに時計の針は十二時前を指していた。 「あー……ホントだなぁー」 『“ホントだなぁー”じゃねぇよ。いくら春休みだからって昼前まで寝てるってどうよ?』 「はいはいすいませんでしたー。それで? 用件は?」 『お前反省する気無いだろ……。まぁいい。もうすぐ春休みも終わりだし、遊べる時間も減るだろ?だから最後にもう一回いつもの五人でどっか遊びに行こうって思ってな。今その連絡してるところ。行けるか?』 .
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