正体

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「ごめん、仕事長引いてさ。仕事の後そのまんま来たからこんな格好で…ごめんね?」 「え、竜さん…?」 スーツ眼鏡のサラリーマン。 笠原竜さんはそうゆう人でしょう? 「うん、竜だよ」 悪戯っ子のように笑うその顔、つんつんに逆立てた金髪、口ピアスにメイク… 見間違う訳無い、この人はあたしが大好きな… 「ラブくん…」 目の前に居るのはラブくん。 あの看板のラブくん。 憧れの大好きなラブくん。 「やっぱり」 ラブくんが呟く。 やっぱり?やっぱりって何? 「飛鳥ちゃん、毎回ぬいぐるみくれる、飛鳥ちゃん」 「っうそ…!」 あたしのこと知っててくれた! ぬいぐるみちゃんと受け取ってくれてたんだ! 感動で涙が溢れてくる。 やばい、あたし死んでも良い。 「カギ、ありがとね。マネージャーが落としちゃって」 あのスーツ眼鏡はマネージャーだったんだ… 「まじ感謝だよ、メンバーん家泊めてもらおうかと思ったもん」 言葉が出て来ない。 ラブくんがあたしの前でしゃべってる。 あたしを見てる! 「飛鳥ちゃん?大丈夫?」 「えっ!はい!」 「そう?じゃあ行こうか」 行く?何処に?? …あっあたしラブくんと食事に行くんだっ!
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