カギ

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★ 「あっはぁーやばかったぁ」 帰りの電車で、莉奈は燃え尽きた様に言った。 「よかったね飛鳥!ペットボトル掴めて!」 「ほんとっ」 後ろの方に居るのも悪くは無い。 このペットボトルは一生の宝物になるだろう。 「次のライヴも行こうね!」 「もちろん!バイトのシフト増やさなきゃっ!」 あたしは今、居酒屋でバイトしている。 時給850円、頑張って週5でバイト入れてみようかな。 「あ、じゃああたし降りるね!」 最寄りの駅に着いて、あたしは莉奈より先に降りる。 「気をつけて帰りなねぇ!」 「莉奈もね!」 莉奈の乗っている電車を見送り、あたしは駅の改札を出る。 夜の風が気持ちいい。 体が大分熱を持っている。 興奮しすぎたかな。 「はぁ~早く寝よっ」 思い切り伸びをする。 するとかすかに鞄から携帯が鳴っているのが聞こえた。 急いで携帯を取り出す。 ママかもしれない。 あれ?知らない番号だ。 「もしもしっ?」 『あ、もしもし?真田さんですか?』 男の人の声だ。 誰だろう。 表示が出なかったけど、なんか知ってる気がする。
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