第一章

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対象の情報を閲覧し、意識を改竄する。 あまり大それた事は出来ないけど」 「白の魔導書……名前は聞いた事あるが、実物を見るのは初めてだな。 そうかそれが……」 「まぁ、一般的には最弱の魔導書、らしいけどね」 クオンの顔が少し沈む。 それをアーサーは見逃さなかった。 そんな能力が最弱というのはいったいどういう理由なのだろうか。 他人の意識を改竄出来るのだから、最強と呼ばれてもおかしくはない、とアーサーは思った。 「そうかい? 私には最強と言われても何ら遜色なく見えたのだが」 「何の役にも立たない魔導書だよ、これは。 そこらで簡単に手に入る魔導書より使い途がないんだから。 情報を閲覧するだけなら、ネットでウィキでも使えば事足りる。 意識の改竄だって、あの程度の簡単なものなら問題ないけど、もっと真剣にやろうとしたら――……」 「したら?」 クオンがそれ以上を言おうとしなかったので、アーサーが言った。 アーサーとしては、彼のこの意味深な言葉が少し気になる。 しかし彼はそれ以上を語ろうとは結局しなかった。 そして彼が魔導書を了ってしまった為、アーサーはこれ以上は聞く雰囲気ではないと判断。
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