第一章

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アーサーの手を取り、ブンブンと景気良く上下に振る彼女は、かなり活発なタイプのようだ。 それはタンクトップにキャミソールを重ね着し、細めのジーンズを履いている事からも伺える。 「じゃあ、私達行きますね。 アーサーさんもお気を付けて」 サキが言う。 お互い手を離し「ああ、君達もね」とアーサーが言った。 そして、別れた。 「でも珍しいね、クオンが誰かを助けるなんて。 普段はあんな事絶対にしないのに。 いったいどういう風の吹き回しなのかな?」 クスクスと子ども染みた顔をサキがする。 こういう顔を見せながら聞く、という事はクオンがこういう事をするのは珍しい事なのだろう。 だから笑っている。 対してクオンが不機嫌そうな顔をした。 「別に、偶々だよ。 何か縁みたいなのがあると直感した、そんな感じかな。 大した意味はねぇよ」 「ふぅん、そうなんだ。 でも……エライエライ。 偉いぞクオン」 サキがクオンを捕まえ、抱き寄せる。 そして、頭を撫でる。 身長だけなら頭半分程クオンの方が高い。 しかしサキはそれでもクオンを抱きしめていた。 「おい、離せサキ。 何時も何時も俺を子ども扱いするな。
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