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アーサーの手を取り、ブンブンと景気良く上下に振る彼女は、かなり活発なタイプのようだ。
それはタンクトップにキャミソールを重ね着し、細めのジーンズを履いている事からも伺える。
「じゃあ、私達行きますね。
アーサーさんもお気を付けて」
サキが言う。
お互い手を離し「ああ、君達もね」とアーサーが言った。
そして、別れた。
「でも珍しいね、クオンが誰かを助けるなんて。
普段はあんな事絶対にしないのに。
いったいどういう風の吹き回しなのかな?」
クスクスと子ども染みた顔をサキがする。
こういう顔を見せながら聞く、という事はクオンがこういう事をするのは珍しい事なのだろう。
だから笑っている。
対してクオンが不機嫌そうな顔をした。
「別に、偶々だよ。
何か縁みたいなのがあると直感した、そんな感じかな。
大した意味はねぇよ」
「ふぅん、そうなんだ。
でも……エライエライ。
偉いぞクオン」
サキがクオンを捕まえ、抱き寄せる。
そして、頭を撫でる。
身長だけなら頭半分程クオンの方が高い。
しかしサキはそれでもクオンを抱きしめていた。
「おい、離せサキ。
何時も何時も俺を子ども扱いするな。
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