1333人が本棚に入れています
本棚に追加
「わーいっ!海だーっ」
「いこ!裕翔」
「うんっ」
海に着いた途端、
さっきまであーだこーだ
言ってたやつらが
一番はしゃいでる
「なんなんだ…あいつら」
よくわかんねーな
あのバカップル
取り残された俺と侑李は
気まずい雰囲気
「だいちゃ…」
「ゆうっ……知念、俺たちもいこ」
俺は侑李の言葉を遮った。
そうだ…
もう侑李って呼んじゃいけない
「…だいっ…」
俺が知念って呼んだからか、
下唇を噛んで
瞳がゆらゆらと揺れる侑李。
「知念…。行こう」
もう一度確認するように
"知念"
そうはっきり言った
「……う…んっ…」
侑李の頬に一粒の涙が光ったのを
俺は見てないフリをした。
最初のコメントを投稿しよう!