日常

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雪月は階段を登る。 嶺人と同じ校章が入ったブレイザーを来ている事から高校生だと解るのだが、 背丈は8年前とたいして変わらなく小学生に見えなくもない。 幼女期には長かった金の髪は、襟元で切り揃えてあった。胸は程よく膨らみ腰は括れ、実に女性らしい体つきになっている。 しかし、その背中、 背後には似つかわしくない武器があった。 扉の前にたどり着き青の瞳が部屋の内部まで見透かす様に冷ややかに扉を見つめ、 ノブを回す。 が、開く気配はなかった。 嶺人の母親から預かった鍵を使おうとポケットから鍵を出した。たが、鍵が合わなかった。 「…………?」 僅かに思案し、 雪月は背後にある身の丈と同等の巨大なハンマーを担ぎ、 躊躇いなく壁にぶちこんだ。
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