日常

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ペースに乗せられたら負けだ。 嶺人は思い、主導権を握るべく眉間にシワを寄せ、 「じぁ、それとあれは何だ」 巨大ハンマーと壁穴を指差し、物的証拠を持ち出した。 雪月は軽く一瞥し、 「鍵と鍵穴よ」 即答した。 軽い目眩を嶺人が覚えるのを余所に、 雪月は出来の悪い息子を見るような目で見据え、強い口調で嶺人に告げた。 「部屋に鍵が掛かって預かった鍵じゃ何・故・か、開きません 仕方がないので私の持ってきた鍵を使ったまでよ、分かる」
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