日常

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嶺人は躊躇わずに跳んだ。 風の公使を止め、周囲に最低限の重力制御をかける。 着地し、落下の勢いを殺さぬ様に滑空しようと、 初速を踏み込む瞬間、柔らかい物体にぶつかった。 視線を上げると、そこには、 「あらあら」 と、困ったように頬に手を当てる嶺人の母がいた。 端から見れば、 嶺人が母の胸に顔を埋める格好になっていた。 終わった~~~~。 嶺人は膝から崩れ落ちそうな衝動と絶望を得た。
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