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現実逃避に浸る嶺人の肩に母が手を置き、
「駄目よ、何時までも甘えん坊じゃ。そういうのは雪月ちゃんとしなさい。
むしろ早く孫が見たいわ。
がんばりなさい!!」
親指を立て、力一杯子作りを進められた。
軽く死にたい衝動にかられる中、嶺人は体の異変に気付いた。
腕が動かない!?
嶺人の腕は力なく垂れ下がり、辛うじて指が動くのみ。
いつの間にか、静香に肩を外されていた。
ギシギシと階段を降りる音がゆっくりと近づいてくる。とてもじゃないが降り向けない、怯える嶺人の背後に気配が来た。
目が前の母は背後に居るであろう雪月に、
「おはよう、雪月ちゃん」
笑顔で挨拶をした。
返す動きで、
「おはようございます。おば様」
優雅に挨拶し、ついでというように嶺人に紫色の液体を注入。
嶺人は気絶した。
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