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嶺人が目を覚ますと何故か教室にいた。
周囲ではパンやお弁当などを広げ思い思い昼食を取っている生徒達が視界に入る。
どうやって此処まで来た?
嶺人が思案していると背後から声と重さがきた。
「れ~い~と君、金貸~して」
寝癖の残る茶髪の巨躯、顔立ちの綺麗な少年が馴れ馴れしく話かけてきた。
瑛太。
恐らく偽名だろうが国税局のスパイ、程のいい雪月の監視員だ。
「帰れ、お前に貸す金などない」
「そ~ん~なこと言~わな~いでさ~」
断ると、腕を首に回し猫なで声で甘えてきた。
正直、気持ち悪いし関わりたくないと嶺人は本気で思う。
だが、聞かねばならない事があった。
「それより、この前貸した金はどうした。
たしか3倍にして返してくれるんだよな」
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