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教室を飛び出し走り出そうとしたとき、嶺人の野生のカンが告げる。
止まれ、隠れろと。
自身のカンを信じ、廊下に一定間隔にある一際大きな柱の一つに身を隠した。
顔半分をゆっくりと出し、嶺人は自分のクラス3-25の方を注視する。
すると、嶺人と反対方向から雪月が鼻歌を歌いながら上機嫌で歩いてくるのが見えた。
両手を胸の前で組み持ちきれないほどの菓子パンを抱えている。
その中、一際目立つ飲み物があった。瑛太からの情報道理、今朝の液体よりも色の薄い手作りと思われる紫色の液体が半透明な容器からその存在をかもちだしていた。
雪月と物騒なドリンクが教室に消えるのを確認し、急いでその場を後にする。
しかし、走ることはせず、ゆっくりと早足で柱の影を縫うように長い長い廊下を登り階段を目指して嶺人は動き出した。
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