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途中、背後からの物音に怯え神経が擦りきれる思いをして、階段前に辿り着き嶺人は息を飲んだ。
正規ルートを使わず非常階段を行こうと決めたのだが、改めて嶺人は息を飲む。
たった一階登るだけだというのに何故あんな長い螺旋階段を用意したのかとか、
何故手すりはおろか、落下防止の柵がないのかなど嶺人は唖然とした。
嶺人の眼前には、
直線距離にして300mはあろう足場のみの螺旋階段が地上3階の空間に浮いていた。
高所ということあってか強風が吹きすさぶ。しかし、今更正規ルートに戻る暇をなどないことを今までの経験から誰よりも嶺人は分かっていた。
恐怖心を抱えたまま、嶺人は強風吹き荒れる螺旋階段を登りだした。
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