41人が本棚に入れています
本棚に追加
「まぁいいわ、知ってること話なさい」
「こ、断る。俺は諭吉さんを貰った、諭吉さんの誓いを俺は裏切らない」
拳を握りしめ力説する瑛太の頭上から、諭吉さんの束が一つ降ってきたのを瑛太は静かに見ていた。
それを光速で懐にしまい揉み手をしながら対応する。
「と、男にならいってる所でだが綺麗で可愛い雪月ちゃ……失礼。
佐藤様の願いを断る馬鹿はいませんよ」
「前置きはいいから早く」
そうですかと、名残惜しそうに瑛太は空間に腕を突っ込み肘から先が消えた。
何かをまさぐる表情をしながら肩を上下させる。数秒後、あったあったと言いながら肘から先が戻って、手には薄い四角の箱が握られていた。
強引に奪い取り、箱の電源を入れると学園の立体映像が映し出され、その中に赤い光点が点滅していた。
それを見て、忌々しく雪月は呟く。
「上か、厄介なトコに逃げ込むつもりね。待ってなさい」
「またのご利用お待ちしてま~す」
瑛太は嶺人とは違い、丁寧に雪月を送り出した。
最初のコメントを投稿しよう!