日常

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4-15の教室は正規の階段から一番遠く、非常階段からわりかし近い位置にある。 そのため先に嶺人が教室に辿り着いた。 勢いよく扉を開け、大きな音がする。上級生の教室だということはお構い無し。 中に入らず目標の人物を捜す。 最初、教室中の視線を嶺人は独り占めしていたが嶺人の存在を確認すると、上級生は皆、我関せずを決め込み昼食に戻った。 目標人物、 ブレイザーの中に一人だけ白衣の少女は教室にいなかった。 落胆する嶺人に一人腰まである長い金髪の女性が近づいて来た。すらっとした長身から透き通るような白い手足が伸びている。 「どうかしたの?レイさん」 赤と青、左右で色の違う碧眼が心配そうに垂れ下がり、腰にささる刀と頬に手を当て訊ねられた。 「リリスさん、良いところに。深海先輩は何処ですか?」 長身で帯刀、長い金の髪に左右で色の違う目を持つ女性リリスに姿の見えない彼女の共同研究者、深海未来の所在を訊ねた。
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