悪夢 あの日

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「あっ、気にしないでいいですよ、この子ちょっとアレなんで えぇ、頭がアレなんで気にしないで下さい。」 スマキが喋るのを、 「あんたは黙ってなさい」 振り向きもせず、雪月は肘の一撃で地に沈め、意識を刈り取った。 攻撃の余韻で手入れの行き届いた金の髪がなびき、スマキが静かになる。同様に辺りも静かになった。 「で、どうなの」 再び審査官に詰め寄る雪月の眉間にはシワがよっていた。 審査官は迷った。 何しろ提示された内容が内容だ。 『末期がんの治療法及びがんの特効薬 人体実験データ付き』 特Aランクの技術内容だ。喉から手が出るほどほしい。 しかし、人権、人権かぁ~。 審査官は悩んだ。
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