悪夢 あの日

5/5
前へ
/118ページ
次へ
審査官は再び考える振りをしながら、テキパキと書類を制作。 スマキを無視して雪月に書簡を渡し、 『はい、次の方』と笑顔で次を促した。 ちょっと待てと言いかけた嶺人は雪月に踏みつけられ、 頭上から悪魔のような高笑いを聞いた。 そのまま流れるような動きで白いワンピースの胸元から取り出した、犬用の首輪とリードを掛けられそうになる。 嶺人は芋虫の様に床を這って必死に逃げるが、 抵抗虚しく雪月に捕まり、逃げられない様に再びワンピースの胸元から改造スタンガン取り出した。 あの空間は四次元空間か!?と思う嶺人を余所に、 雪月の持つ物体から髪の色と同じ雷がほとばしり、僅かに薄暗かった室内を照らした。 真下から見ていた嶺人は雪月の口元が三日月に歪み、ゆっくりとスタンガンを近づけて来るのを見ていた。
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加