第一章 ◆ 過ち

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里「はぁ!たくさん歌ったぁ~!」 仁「音…」 里「それ以上言ったらぶつわよ」 仁「はいはい」 里穂は昔から音痴だ。 なので里穂に「音痴」と言ったら「ぶつわよ」と怒る。 だからと言って本当にぶつわけじゃないけど。 里穂も里穂で気にしてるらしい。 里「仁…今日はつきあわせちゃってごめんね?」 仁「別に。大丈夫だよ?」 里「そっかぁ!そういうとこは変わらないね!」 仁「どーゆう意味だよ…」 里「優しいってこと!!」 里穂は満面の笑みで言った。 久しぶりに見る無邪気な笑顔に俺も笑顔がこぼれた。 握っている手から鼓動が伝わりそうなくらいドキドキした。 優しく自分の唇を里穂の唇と重ねた。 幸せだなって思った…… 里「仁……」 里穂が顔を赤くして名前を呼んだ。 仁「どした?」 真っ赤な顔をして発した里穂の言葉は本当に意外なものだった……… .
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