第二章 ◇ 幼なじみ

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―――今日はいよいよ卒業式。 学校についてそうそう里穂は泣きそうになっていた。 仁「卒業式始まる前から泣くなよ」 里「だってっっこの三年間いろいろあったんだもん!寂しいよ~!!」 仁「よしよし」 今にも大泣きしそうな里穂の頭をなでた。 里穂……この三年間ほんとにいろいろあったな…… ――――――――――――― ――――― 卒業式が始まった。 体育館に入場するときの里穂の泣くのを我慢している顔はすっごいガキで笑えた。 入学式の日。 高校生になることにわくわくした。 でも…それと裏腹に里穂と2人笑って入学出来なかったことが悲しかった………… 二年生。 里穂と尾川が付き合ってると噂が流れ始めた。 あん時はめちゃくちゃショックだったな………… 三年生。 里穂と同じクラスになれた。 窓際の後ろから二列目の席……里穂が見える特等席だった。 俺は別れたと思っていて 里穂は別れてないと思っていて… すれ違いになってしまっていたけど―――… 俺たちの気持ちはずっと繋がっていたよな……… 三年振りのキスをしたときはめちゃくちゃ緊張したし 里穂とひとつになった時も夢なんじゃないかって何度も思ったし 夢じゃありませんようにって何度も願った。 今までを振り返っているうちに卒業式は終わってしまった。 退場するとき里穂は号泣していた。 男子でも何人か泣いていた。 教室に戻ると先生の話があった。 先生が話している中 俺は自分のポケットから小さなハートのついたネックレスを取り出した。 ――――… 里穂に初めてプレゼントするもの。 俺はネックレスを握りしめたまま先生の話が終わるのを待った……… .
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