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憂鬱な気持ちのまま入学式は終わった。
里「ねぇ……仁。朝のきれいな子誰?」
あれから里穂は元気がなかった。
仁「ただの幼なじみ。里穂はなにも心配しなくていいからな?」
里「………ん」
里穂はそれっきり黙り込んでしまった。
気まずい沈黙が流れる………
彩「仁くーんっ!一緒に帰ろ!」
沈黙を破ったのは彩だった。
仁「里穂と帰る」
俺は里穂の手を握った。
里穂も握り返してくれた。
彩「ねぇ里穂ちゃん。仁くんの恥ずかしい過去知ってる?」
彩は自慢するかのように次から次へと話し続けた。
里穂の表情はだんだん暗くなってくる。
仁「彩。うるさい」
俺は彩を避けて里穂の手を引いていった。
――――――――――
仁「悪い…………彩のことは気にすんな……?」
里「…………」
里穂は黙り込んでしまった。
仁「……里穂…」
俺は里穂を抱き寄せた。
里「……っははは……大丈夫だよ?…」
里穂は笑ったでもその笑顔は泣くのを我慢してる笑顔。
仁「……我慢すんなよ……」
里「…うっ………仁……」
里穂は泣き出した。
里「……ひっく……あたしバカ……だよね……小さい頃の仁を知ってるあの子にヤキモチ妬いちゃった………ははは」
仁「…ホントバカだよ……里穂は…」
俺は里穂のまぶたにキスをした。
涙の味はしょっぱかった。
里穂と唇を重ねた。
そのキスは
涙の味がした………
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