41人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
あれから1ヶ月がたとうとしていた。
彩は相変わらずベタベタしてくる。
正直…………あきれていた。
里「仁あたしちょっと先生のとこ行ってくるね!」
仁「わかった。この辺で待ってる」
里「うん!」
里穂はそう言うと走って行った。
俺は暇つぶしに図書室に入って行った。
適当に本を選んで読んでいた。
「……仁くん!!」
振り向くと彩がいた。
仁「なに?」
彩「………………そんなに冷たくしないでよ」
彩は後ろから抱きしめてきた。
彩「好きなのっ………仁くんが……小さい頃からずっと………あの子より仁くんのこと知ってるよ?………ねぇ…あの子と別れてあたしと付き合って…………」
彩が本気で言っているのはわかった。
仁「…………彩の知ってる俺は小三までの小さな俺だろ?…今の俺は知らないだろ?」
彩「…でもっ…ずっとずっと好きだったのに……大阪に行ってもずっと仁くんのこと思ってたのに……仁くんはあたしだけのものだったのに…………」
「仁はっ仁はものじゃないですよ……?」
声のした方を見ると里穂が目には涙がたまっていた。
里「ごめんなさい。彩さん、他の何を譲ってもいいから…でも仁だけは譲れません」
里穂はそう言うと俺の腕に自分の腕を絡めた。震えてた。
里「ごめんなさいっ……彩さんの方が早く仁を好きになったのに……ひっく……ごめんなさいっ」
里穂は泣きじゃくりながら頭を何度も下げていた。
仁「彩…ごめん。俺こいつにベタぼれなんだ……こんなにも愛しいと思う人は里穂だけなんだ……」
彩「……っ」
彩は泣き目になりながら図書室を出て行った。
里「うっ…ひっく……うぁぁぁぁんっ……」
仁「泣くなよ」
里「仁~!大好きっ」
里穂はそう言うとキスしてきた。
仁「俺の方がお前のこと好きだ」
もう一度キスをした。
.
最初のコメントを投稿しよう!