第四章 ◇ クリスマス

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気がついたら病院に運ばれていた。 頭がズキズキ痛む。 事故にあったはずなのに頭に包帯が巻いてあっただけで他には外傷がなかった。 仁「……彩…だ」 俺は彩があの時かばってくれたことを思い出す。 急いで彩の病室に向かう。 仁「……彩っ!」 病室のドアを開けると彩の両親が来ていた。 おばさんは泣いている。 彩母「仁くんっ彩は……障害が残るかも知れないってっっどうしてくれるの!?……元気な彩を返してよ!」 おばさんは泣きながら俺の肩を揺さぶった。 仁「……すいません」 ただ頭を下げることしかできなかった。 彩は頭を強く打ち、右足が複雑骨折していたらしい。 意識が戻っても歩くことが難しいかも知れないらしい。 俺のせいで…………彩は…… 胸が痛くなった。 俺は一度病室を出た。 震える手で里穂に電話した。 里『もしもしっ!どうしたの?!何かあったの!?』 里穂は慌ただしく聞いた。 仁「……今…D病院にいる………305室にいるから。」 里『えっ…!?……わかった!すぐいくっ』 里穂はそう言う電話を切った。 俺はもう一度病室に戻った。 彩父「仁くん………これから説明があるから彩のそばにいてくれるか?」 仁「………はい」 俺はベットの近くにある椅子に座った。 彩の傷は見る限り痛々しい。 俺は彩に何をしてあげられるんだろう……………… どう償えばいいんだろう……… そんなことばかり考えていた。 .
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