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「仁っ!今日遊びに行こうよ!!」
「ダメッ!あたしと行くの!!」
俺の周りでたくさんの女がぎゃあぎゃあ騒いでいる。
俺はうざいと思いながら聴いていた音楽の音量を上げた。イヤホンから賑やかな音楽が流れる。
「ちょっと仁!!聞いてるの!?」
ひとりの女が俺から音楽プレイヤーを取り上げた。
はぁ……こういうのマジうざい……
そんな風に思いながら俺は作り笑いをした。
仁「いい子にしてたら遊んでやるから返して?」
女はみんな顔を赤くした。いつものことだ。
女から音楽プレイヤーを取り返した。
そしてまた音楽を聴く。
キーンコーンカーンコーン……
予鈴がなった。
女たちはそそくさと席に着き、俺も席につく。
「授業始めるぞ」
先生が入ってくると授業が始まった。
俺の席は窓際の後ろから二列目。たいてい授業中は窓の外を見ている。
それにこの席からは……里穂が見える……
あの事があって以来………俺は里穂を避けるようになった…
避けられるより避ける方がいいと思ったから。
自己中な自分に嫌気がさしてくる。
里穂の事がまだ好きな自分がいる………
俺…未練がましいな。
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