第一章 ◆ 過ち

3/13
41人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
「仁っ!今日遊びに行こうよ!!」 「ダメッ!あたしと行くの!!」 俺の周りでたくさんの女がぎゃあぎゃあ騒いでいる。 俺はうざいと思いながら聴いていた音楽の音量を上げた。イヤホンから賑やかな音楽が流れる。 「ちょっと仁!!聞いてるの!?」 ひとりの女が俺から音楽プレイヤーを取り上げた。 はぁ……こういうのマジうざい…… そんな風に思いながら俺は作り笑いをした。 仁「いい子にしてたら遊んでやるから返して?」 女はみんな顔を赤くした。いつものことだ。 女から音楽プレイヤーを取り返した。 そしてまた音楽を聴く。 キーンコーンカーンコーン…… 予鈴がなった。 女たちはそそくさと席に着き、俺も席につく。 「授業始めるぞ」 先生が入ってくると授業が始まった。 俺の席は窓際の後ろから二列目。たいてい授業中は窓の外を見ている。 それにこの席からは……里穂が見える…… あの事があって以来………俺は里穂を避けるようになった… 避けられるより避ける方がいいと思ったから。 自己中な自分に嫌気がさしてくる。 里穂の事がまだ好きな自分がいる……… 俺…未練がましいな。 .
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!