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キーンコーンカーンコーン…
「じゃあ今日はここまで」
先生はそういい残すと教室をあとにした。
「仁~!一緒にご飯食べよ!」
また女が周りに集まってきた。
俺はそれを無視して教室を出た。
尾「里穂ちゃん。一緒にお昼どう?」
里「尾川くん!いいよ!どこで食べる?」
また尾川と一緒にいる………
「あっ!尾川晃くんと結城里穂ちゃんまた一緒にいる!」
「確かあの二人って付き合ってるって噂あったよね?」
いつの間にか女たちが俺の横にいた。
そんな噂………聞きたくないほど聞いた……
「仁~ご飯どこで食べるぅ!?」
ドキンッ
里穂と目が合った。
里「……仁…」
里穂は俺の名前を呼んだ。昔と同じように…………
尾「里穂ちゃん?知り合い?」
里「えっあ……うん」
尾川が俺を見た。なぜか腹が立つ。
仁「誰だっけ?俺あんたなんか知らないけど」
心にもないことを言ってしまった。
言った後にすぐに後悔する…
尾「そんな言い方ないだろ!?」
尾川が強い口調で言ってきた。
たぶん…いや絶対、尾川は里穂のことが好きだな………
じゃあ付き合ってるってほんとのことなのかもしんない………
尾「里穂ちゃんに謝れよ!!」
ズキン……
里穂………なんで泣きそうな顔してんだよ…………
里「尾川くん………もういいの…行こ……?」
里穂は震えた声で言った。
尾「里穂ちゃん……わかった。行こう」
尾川が里穂の肩に手を置いた。
3年前までは……里穂の隣は俺の場所だったのに……今は違う奴がいる…………
里穂の俺の名前を言った声が頭から離れない…………
正直嬉しかった………"仁"と名前で呼んでくれて……
なのに俺は…………なにをしてるんだろう……………
また………
里穂を傷つけた………………
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