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海「蒼が婚約していた相手は………花の姉だったんだ…」
仁「……花の…姉?」
海「…あぁ。でも花の姉は事故で死んだんだ………それから蒼はしばらく荒れてたよ……いろんな女とっかえひっかえして………そのたびにケンカもしてたくさん傷を負ってた」
仁「……ん」
海「でもそんな蒼を止めて支え続けたのが花だったんだ………全身全霊でぶつかってくる花に次第に蒼は惹かれていった。それで今に至るわけ。今のあいつら幸せそうだよ~…」
仁「蒼にもそんな過去があったんだ……」
海「ほんと不器用だよな。今はもとに戻ってるけど初めは本当に笑ってるような笑顔じゃなかったんだ……お前と同じ無理して笑ってた」
仁「………俺さ…その和樹っていう奴が里穂を抱きしめてるの見たんだ……情けないけど………泣いた」
海「情けなくなんかないじゃん。泣くほどまだ好きなんだろ?」
俺はただ頷いた。
海「ほんとお前と蒼は似てるよ。何でも相談しろよな!」
海里は笑顔で俺の頭をぐしゃぐしゃにした。
仁「……ありがとな…海里」
海「あったりめーよ!親友なんだから!」
仁「そだな!…今日は奢ってやるからファミレス行こーぜ!」
海「よっしゃっ!一番高いやつ食うしっ!」
仁「前言撤回っ!」
海「冗談だよ!行くぞっ!」
俺たちは2人で騒ぎながら歩いていった。
親友…………か。
ありがとな…海里。
ようやく俺は進み出せる…。
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