第一章 ◆ 過ち

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「おい仁!俺ら帰るけどお前どーする?」 仁「俺、本屋で参考書みるから先帰って」 「わかった!じゃーな!」 友達は校舎を出て行った。 俺も音楽を聴きながら校舎を後にした。 ――――――――― ――――――――――――――― 本屋について参考書を探す。 あった…… K大の参考書を手に取る。 「……くん!」 声が聞こえた方を見た。 里穂………… 里「……ん…だ…」 里穂がなにか言ってる。 音楽が邪魔して聞こえないっ… ………尾川も一緒か… でも……もし里穂が言ってることが大切なことだったら…っ 仁「なっなに!?」 俺は意を決してイヤホンを外した。 里「だから!仁…くんもK大受けるの?」 仁「えっあ……あぁ」 里「参考書。あたしの使ったやつでいいならあげるよ?」 仁「い…いいの?」 里「うん!あたしほとんど終わっちゃったし!いろいろかいてあるけど!」 尾「里穂ちゃん。そろそろ行こ」 里「あっうん。ねぇ仁くんあたしたちこれから図書館で受験勉強するんだけど一緒にどう?」 里穂の優しさが伝わって来た。こんな俺を誘ってくれた。 ………でも尾川が俺を一瞬睨んだ。 仁「俺は……いいや」 里「そっか……じゃあね!」 俺……ほんとにこれでいいのか…? 里穂と尾川を2人っきりにして……… やっぱだめじゃん……傷ついてんじゃん…俺………… 仁「あのさ!俺に……やっぱ勉強教えて!」 これが精一杯の里穂と一緒にいれる口実だった。 あきらかに里穂は驚いてるし 尾川は嫌な顔をしている……… 尾「君さお昼は散々里穂ちゃんのこと知らないとか言っといて今更なんなの?」 尾川が俺を睨みながら言った。 やっぱ言わなきゃよかったかな………… 里「尾川くんっ!仁くんは何も悪くないよ!それに頼まれたからには教えてあげなきゃ!!」 里穂は笑顔で言った。 俺はたぶん……里穂の明るくて優しいところにひかれたんだ…………… .
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