第六章 ◇ 想い

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前に進むっつってもな……… 涼「仁~あいつが呼んでるぞ~」 仁「……ん?」 涼太が指さした先には和樹がいた。 仁「……突然なんだよ…?」 和「悪い。時間あるか?」 仁「大丈夫だけど…」 俺たちは中庭の方へ出た。 和「これ。里穂から」 新の手には一通の手紙があった。 仁「なんでお前が……」 和「……あいつが泣くから」 新は俺に背を向けて話し始めた。 和「里穂さ……お前の話するときいつも泣きたそうな顔するんだ……」 仁「………え…?」 里穂が……………泣く…? 和「………最近さやっと笑うようになった…」 仁「――――…付き合ってるのか…?」 和「…いや。振られた…でも…絶対振り向かせる。俺はあいつを泣かせない」 新はまっすぐに俺を見ていった。 悔しい気持ちが押し寄せてきた。 でも……… 何も言えない。 泣かせてしまっているのは 俺なのだから………………… .
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