第六章 ◇ 想い

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家に帰って手紙を読もうか迷う。 "お前が決めろ" 海里の言葉が浮かんできた。 決心して手紙を読んだ。 "仁へ 突然ごめんね。 前にも似たようなことしたよね。 仁に直接言う勇気が私にはないから…いつも手紙とかになっちゃって。 仁にどうしても気持ちを伝えたいと思ったから手紙かきます。 仁と離れてた一年はとてつもなく長ぐつらかった。 私はもう一度あの日に戻りたい。 ごめん…こんな話聞きたくないよね。 ごめんね。 でもこの気持ちを無駄にはしたくないから。 私は仁が好きです。 大好きです。 明日10時に 仁の家の近くの公園で待ってます。 わがままでごめんなさい。 里穂" 手紙はここで終わっていた。 所々泣いたのか丸いシミがある。 また里穂は俺の事で泣いたんだ。 そう思うと胸が痛んだ。 一晩中考えてようやく答えがでた。 里穂ごめん………… 好きだけど… 好きだから…………… 俺は里穂から離れます……… 俺のせいで泣いてほしくない。 ずっと笑っていてほしいから―――… 自分勝手な俺を許してくれ…… .
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