第一章 ◆ 過ち

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無我夢中で走った。 汗だくになって里穂の家についた。 帰ってるなんかわからない。 もしかしたらまだ尾川と一緒かもしれない。 俺は意を決してチャイムを鳴らした。 ピンポーン…… 「…はい。どちらさまですか?」 チャイムから里穂の声が聞こえた。 仁「…はぁはぁ……俺…」 里「じっ……仁!?」 仁「……せーかい」 里「ちょっと待ってて!すぐ行くから!!」 俺は玄関の門の前で待った。 里穂ん家に来るのは三年振り………あの頃から何も変わっていない。 里「仁っおまたせっ!!遅くなってごめんねっどうしたの?」 仁「………聞いた…」 里「……えっ」 里穂は顔を一瞬だけ赤くした。 でもすぐに深刻そうな顔をした。 里「……うん…」 仁「……………俺さ…お前のことが好きだ……あの頃からずっと……」 里「………仁っ」 里穂は俺に抱きついた。 里「あたしもっ……あたしもだよ?………あたしも仁が好きっ…」 仁「……知ってる…」 俺は里穂にキスをした。 三年振りのキスはほのかに甘い味がした。 里穂………… 俺たちはたくさん遠回りしたよな…… 里「仁……ずっと一緒にいてね…?…」 仁「…あぁ。もう離さねーよ」 もう二度と離さない………… そう俺は心の中で誓った…… ―――――――― ――――――――――――― ―――― .
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