第一章 ◆ 過ち

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いよいよ受験の日。 「じゃあ始めてください」 先生の合図でみんな一斉にシャーペンを動かす。 この日のために里穂にたくさん勉強を教えてもらった。 実際、里穂ばかり見ていて頭には全然入っていない。 でも俺はテストで3位以下はとったことがない。 里穂はずっと1位だったけど。 どうにか全部埋めることができた。 ――――――― ―――――――――――― 里「仁!どうだった!?」 仁「微妙。里穂は?」 里「あたしも微妙!」 里穂は笑いながら言った。 里「同じ大学受かるといいね」 里穂はそう言うと俺の手に自分の手を絡ませた。 仁「そうだな…」 内心ドキドキしながら俺は答えた。 里「ねぇ…仁。これから時間ある?」 仁「大丈夫だけど?」 里「…カラオケ行かないっ!?」 仁「いいけど…?」 里「ホント!?やった!タダ巻もらったんだけど誘う人いなくて困ってたの!!」 仁「ふーん」 里穂ははしゃぎながら俺の手を引いていった。 ホントは気づいてたんだ。 里穂が受験の気晴らしに俺を誘ってくれたこと。 なんて 里穂には言えないけど。 .
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