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いよいよ受験の日。
「じゃあ始めてください」
先生の合図でみんな一斉にシャーペンを動かす。
この日のために里穂にたくさん勉強を教えてもらった。
実際、里穂ばかり見ていて頭には全然入っていない。
でも俺はテストで3位以下はとったことがない。
里穂はずっと1位だったけど。
どうにか全部埋めることができた。
―――――――
――――――――――――
里「仁!どうだった!?」
仁「微妙。里穂は?」
里「あたしも微妙!」
里穂は笑いながら言った。
里「同じ大学受かるといいね」
里穂はそう言うと俺の手に自分の手を絡ませた。
仁「そうだな…」
内心ドキドキしながら俺は答えた。
里「ねぇ…仁。これから時間ある?」
仁「大丈夫だけど?」
里「…カラオケ行かないっ!?」
仁「いいけど…?」
里「ホント!?やった!タダ巻もらったんだけど誘う人いなくて困ってたの!!」
仁「ふーん」
里穂ははしゃぎながら俺の手を引いていった。
ホントは気づいてたんだ。
里穂が受験の気晴らしに俺を誘ってくれたこと。
なんて
里穂には言えないけど。
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