背水のジェンガ

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「帝パンマン…お腹がすいて力が出ないよ…」 「大丈夫だ風亜。まだ一時間目が終わったばかりだろ?」 「俺が朝メシを食ったと思うか?」 「だが、なっちゃんが朝メシ作らないとも考えられん…」 あ、ちなみになっちゃんとは俺の妹の内藤夏樹のことな。 ちなみに今は中学二年だった気がする。 今のところ家には俺と夏樹しかいない。 両親…?まぁ…追い追い話すって事で。 「そりゃ作ってあったけど…」 「あったけど…?」 「朝から豚キムチなんて食えるかよぉー俺はデリケートなんだ。」 そう。夏樹はちょっと朝からのテンションがイタい娘なんだよ。 去年の運動会の朝の食卓にすき焼きスタンバイされてた時にはお兄ちゃん涙が止まらなかったさ。ハハハ… 「ハハハ……ハハ…」 「おーい風亜?聞いてるか?」 「…えっ…どうした?くせ者か!?」 そう言って俺は咄嗟に消しゴムを掴んで天井に投げた。 ポーン…ガッ…ヒューン… 俺に投げられた消しゴムは見事な入射角で天井に激突。 そのまま開いていた窓から逃走しやがった。 「お、お前がいないと俺は…俺は… シャーペンのケツで字を消さないといけないじゃないかぁぁあ~!」 帝、後は任せたぜ!! そう言わんばかりに帝に合図をして教室を飛び出す俺。 空腹を紛らわすにはなんでもよかったんだよ。 後に風亜は帝に語ったという。 「萩原君ってさ~物好きだよね~あんな変なのと一緒にいてさ。」 クラス委員の女の子が風亜がいなくなったのを確認してから帝に話し掛ける。 「そうか?あいつといたら中々おもしろいぞ?」 帝はそう言って風亜が帰って来なかった時の言い訳を考えるのであった。
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