背水のジェンガ

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時はぶっ飛び昼休み。 「…帝…俺の骨は…普通に墓に埋めてくれ。」 「おぉ…任せろ。普通の葬式にしてやるから…安心しろよ。」 「ってなんか違うな…どこで間違えた…?」 「いいから飯にしようぜ?」 「ん、悪い…俺今日学食だから別の奴と食ってて…パン買ってくる。」 そう言って風亜は教室を出た。 学校に来るのは不定期な為、夏樹には弁当は作ってもらっていない。 夏樹の仕事を増やすのもあれだしな。 とかいうお兄ちゃんっぽい思考を巡らせているうちに学食に到着。 ここは戦場か? いや、俺ならいける… 俺は戦場の絆ポータブルかなんかの体験版をやり込んだ男だ。 きっとこの戦場も絆で乗り切って見せる!! 「あんぱん!」 どこかのパン屋の娘のようにおまじないを唱えて人込みに突っ込む。 待てよ…ご褒美なんだからもっと豪勢なもんを唱えればよかったな…まぁいい… 「君!俺と一緒にこの戦場を切り抜けないかい?」 「はっ?!何言ってんすか?どいて下さい。」 拝啓――…お母さん…まだまだ世間の風は冷たいです。グスン 結局、あんぱんと牛乳を買った風亜はこれを教室で食うのもなんだか負けな気がしたので何となく中庭に足を運んだ。 風亜お気に入りの場所があるのだ。 あそこはいい感じに日陰で風通りもよくて… 久しぶりなので少しウキウキしながらマイ、ベストプレイスを見ると…そこには先客が一人座っているではないか。 けしからん。実にけしからんです。 遠目で先客を眺めてると 「ん?どっかで見た?」 あのちょっとくせっ毛の肩位まである栗色の髪とあのリボンは…そう。 午前中にフラれてた一年生だ。 俺のベストプレイスを涙で濡らさないでいただきたいね。 よし。 「そこのお嬢さん。何かありましたかな?この失恋大明神が相談に乗りますよ?」 といきなり問い掛けてみた。 やはり…コア過ぎたか?初対面の後輩には…? と若干後悔しつつも顔を隠していたあんぱんと牛乳の間から女子生徒の様子を伺う。 くぅ~ と同時に可愛らしい音で彼女のお腹が鳴いた。 「…………食べる?」
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