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「け……ケミール?
え、見えんの??コレ?」
―ガタタ―
クロー(中身アスタイガ)が右に動く。
「コレ、は酷いよ。ランテさん。
だってランテさんの『友達』でしょ?」
―ガッタンタン―
クロー(一応中身アスタイガ)が左に転がる。
「ま……まぁな。
……まさか、武器の中の剣精まで見えるたぁ(見えるとは)……。」
―ガッタガッタ―
クロー(しつこいようだが中身アスタイガ)が左右に跳ね回る。
「ねぇ、何ていうの?
その綺麗なトラさん。」
「ん?えーっと―」
―ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!―
クロー(くどいようだが中身アスタイガ)が、もはやありえないくらいテント内で暴走している!!
テントが切られて破けそうだ……。
「……おいで地霊虎(アスタイガ)。」
「(あ゙あぁぁぁぁあ!!それ本気でやるんだったのかいーーっ!!?)」
クローから出て来て早々、絶叫と言うか咆哮炸裂。これでランテも目視出来る。
それで、ランテが思ったのは……。
「……口から火を吐きそうだな。」
「(顔から火を噴いてるんだよ!!アホーー!)」
ゴロゴロとのたうち回る地霊虎(アスタイガ)。
クローから出たくて暴れたんじゃないのかとランテは苦笑いする。
「地霊虎(アスタイガ)っていうんだ!
ランテさんと仲良さそう、何だか羨ましい。」
「(とっ、ととととりあえず一回喉噛んどこうかこの子ーーっ!!)」
「何物騒な事言ってんだお前は……。」
喉噛んだら死ぬだろ、とクローをぷすり(と、刺した)。
いったん落ち着けともう一回ぷすり(と、また刺した)。
もちろん、ダメージが無い程度に。
「……何変になってんだお前は……?」
「(だってさ!この子が『綺麗』とか『綺麗』とか変にお世辞言うから――)」
「? 本当に綺麗だからそう言ったんだよ??」
「(ぎゃあぁぁぁああ!!?)」
地霊虎(アスタイガ)の咆哮(叫び)が、
天高く木霊した。
……今日は快晴、旅立ち日和だ。
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