遠き道のり、目覚める力。

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…………。 ランテとケミールはウィズ国の道を歩きながら、次の街を目指していた。 この辺りは人通りが少ない。 まぁ、エデリアの付近と言う事もあるが、何かがおかしい。 しかし、理由はすぐに反面した。 ……ちょうど、森に差し掛かった時だった。 「……旅立ったそばから、これかよ。」 「(最悪だね?  こっちはチビ連れてんのに……。)」 森の中に響く、下劣な笑い声が複数。 ……賊だ。どうやら人の近付かなくなったエデリア付近を根城にしていたらしい。 エデリアは数ヶ月前に滅びたのだが、街の中を夜中に見て回ると、街の家の中からあらゆる物が無くなっていた。 何かしらの手段でエレクセイレルから身を隠してこの賊らが全て盗んだのだろう。 雷が収まった今、賊らは本格的にエデリアを根城にするつもりだったのか……。 ちょうどエデリアから出て来たランテ達と鉢合わせになったのだ。 「何だぁ?汚ねーオッサン……、と。なかなか可愛らしいガキがいるじゃねぇか?」 「……。」 一応後ろに隠していたが、ケミールも見つかったらしい。 こいつら賊は、極悪非道。だがそれ以上に非道な奴等がいる。 王都ホワイティアの近くには、商業の街「ノディス」がある。 様々な物が売買され、繁栄する一方、あそこでは身分の低いヒトも……… ………『物』として売られる。 奴隷市場があるのだ。 こいつら賊は、村を襲えば、金品はもちろん、女性や子供をさらい、ノディスの奴隷商人に売り飛ばし、金を得る。 ランテは、同じヒトでも、賊と奴隷商人だけは嫌悪していた。いや、賊とそれはヒトではない。そう思っている。 よって、すぐさまクローを構えた。 「道を開けろ。 じゃねぇと……、痛い目を見て貰う。」 「ほーう?痛い目ってどんな目だぁ?? 一人でこの人数相手にすんのか?オッサン。」 「オッサン言うな。  あんたらに名乗る名は無いがな……。」 ランテがそう言うと、何人かの賊が斧やら剣……、武器を構えたが、 その直後、奥からハゲた大男が現れた。
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