こんばわケミール俺クゥト。

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真夜中の草原の真っ直中、私は張ってあるテントから外を覗きます。 夜の蒼に染まった草木が風に揺れ、木の葉が舞い、草が波打つ……。 綺麗な光景ですが……、 ちょっぴり見飽きてますよ?? それに、目の前で「船を漕いでいる」見張りのメルヴィス君の方が気になってしまいますし。 「メルヴィス君。  見張り交代ですよ。ウィル君と睡眠してください。」 「はいーー……。 も…もう限界……。」 私は、眠い目をごしごしと擦っているメルヴィス君と見張りを交代します。 いくらなんでも、夜通しはメルヴィス君には厳しいですからね、退屈に弱いお年頃みたいですから♪ 私は落ち着いてしまってますから、まだ20代ですけどね?やや終盤ですが……。 ……あぁ、メルヴィス君。 半分寝てましたね?灯り兼暖とりの焚火が小さくなってますよ?? 全く、眠いならいつでも変わるのに……、 私は仕方なく、薪を沢山足し、魔法で火をつけなおしましたよ。 ……ウィル君は激しい戦闘での必死の回復魔法を連発し、爆睡。 メルヴィス君はあの通り。 女性に見張りさせる訳にいきませんから、私が朝まで見張りですねぇ……。 やれやれ、年長者は大変ですよ?? フェンさんは……、 いつもの夜の散歩ですかねぇ? テントにいる気配がありません。 ……あの人は……、睡眠足りてるんですかね?? 夜になるとふらふらと歩き出しますし? 私はふっと笑いながら、軽く夜空を見上げました。月は満月。明るく感じますねぇ? 「……おや?」 何者かの気配がしますね? フェンさんのお帰りですか? ……いえ、違うようですね。 気配が全然違いますからねぇ、フェンさんからは、武器の炎属性と、剣精の地属性の混じった独特の気配がしますから。 敵ですか……? いえ、戦意は感じない。足音的には二本足……、ヒト……? 何故このような草原にヒトが……? 「よぉ、こんばわ。」 男性の声が聞こえた方に、私は目をやりました。
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