..Chapter001,

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「結ちゃん、マジで金ピカのお嬢様なんだな。俺みたいなのとは、住む世界が違うんだ」 「そんなことないよ、わたし、友達が居ないだけ……。だから何も知らないし、したことないし。本物のギラギラのお嬢様なら、ウチの学校にたくさん居るわ。誰でも知ってるような大会社の社長令嬢に、大物俳優の娘だって居るよ。わたしの家は、偶然お父さんの仕事がうまく行ってて、お金がほんの少しあるだけ。名家のお嬢様には、敵わないもん」  少し厭味に聞こえてしまったかもしれないと思って彼の顔をのぞきこんだら、やっぱ黒女はスゲーや、と言ってゲラゲラ笑っていた。 「だったらさ」 「うん」 「俺、結ちゃんの友達になりたいんだけど、いい? さっきは急に告ったりして結ちゃんを混乱させちゃったけど、それは、その……ホント、会えたことが嬉しかったの。だから結ちゃんがどう思うかなんて考えてなくて、ホントごめん。でも、気持ちは嘘じゃない。こたえてくれなんて言わない。けど、今日ばいばいしてはい、終わり。は、嫌なのね? だから……友達、から、はじめませんか?」
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