..Chapter001,

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   家では、両親が夕食を摂らずに待っていた。いつもよりずっとずっと遅い時間に帰宅したわたしのことを心配そうに覗きこんで、それでもわたしを咎めないお母さんに、わたしはにっこり笑って言った。 「お友達とね、遊びに行ってたの。ごめんなさい。ゲームセンターに初めて行ったんだけどね、その子がすごくUFOキャッチャーが上手で、ほら。こんなにたくさんぬいぐるみをとってくれたの」 「そう。結は今までたくさんお勉強をしてきたんだから、高校生になるまではたくさん遊びなさいね。けどね、遅くなるときは必ず連絡をして頂戴ね。お父さんったら、お仕事から疲れて帰ってきて、とてもお腹が空いているはずなのに、先に食べますかって言ってもあなたを待つって言って聞かなかったのよ」  
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