..Chapter001,

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   それからは、週に3日くらいのペースで彰くんと遊び歩いた。わたしのために部活をさぼって来てくれるということが嬉しくて、わたしはどんどん彰くんに心を許していった。カラオケにも行ったし、お店の場所を覚えてしまうくらいショッピングセンターも歩きまわった。今やってる映画も、全部見てしまったよ。ジャンクフードも、飽きるほど食べた。特に、駅の近くのコンビニで売っている肉まんがわたしのお気に入りで、安くて美味しいものってたくさんあるんだね、って彼に言ったら、笑われた。 「ねえ、彰くん。わたし、しらなかった。毎日きらきらしてて楽しいんだ。世界って、とても広いんだね。こんなに遊び歩いても、まだ足りないし知らないことだらけだよ」 「まだまだこれからだよ。きっと、これから死ぬまで遊んだって、全部を知ることなんてできない。俺だって知らないことばっかだよ。結ちゃんに出会ってから知ったことだってたくさんある。俺は、俺が知らないことを、結ちゃんと一緒に知っていきたいと思うんだ。心から」 「……わたしも、だよ。ともだちになってくれてありがとう」 「結ちゃん。俺、結ちゃんのこと大好き。出会ったときよりもずっとずっと好きになった。俺の彼女になってくれないかな」  
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