..Chapter002,

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  ―― 校則違反をしているひとがいます。コイツを許すな♪  冬休みが近いある朝、黒板に赤いチョークで、大きく走り書きされていた。みんながざわついている。普段はわたしを見もしない子たちが、わたしが教室に入った瞬間、ひそひそ何かを囁きはじめた。心のどこかがざらついて、不快な汗がじわじわ噴き出してくる。嫌な予感が背中を駆け抜けてくから、その勢いで黒板に飛びついた。  黒板の隅に、1枚の写真。  わたしだ。笑顔のわたしと、彰くんの横顔。 「うそ、なにこれ……」 「ねえ仁科さん、これカレシ? この写真隣のクラスにも貼ってあったよ。内部進学なんでしょ? バレたら大変じゃない?」 「でも……彼氏くらい、みんな居るんじゃないの? 何でわたしだけ、こんな……」 「ちょっと、これ彰センパイじゃない? 西高の1年の……」  
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