..Chapter002,

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  「ハル、彰センパイのこと大好きなんだよ。もちろん、別れた今も。付き合ってるときは彰センパイもハルのこと超好きでラブラブだったんだよ。この夏だって、二人で一泊二日で旅行してるし」 「なのに、急に先輩が遥をフッて別れた。遥すごいショック受けてさあ……。学校には来ないし、お見舞いに行ったらごはん食べてないみたいで超ガリガリになってたし……」  安西遥。彼女は他の高校へ進学する数少ない子らしく、夏前から欠席が目立っていた。10月を過ぎてからは、ほとんど姿を見ていない。勉強はあまりできないようだったけれど、背が高くてとても綺麗な顔立ちをしていて、それでいてとても意地悪だった。どういうわけか友達には恵まれていて、いつも違う子を引き連れてわたしに突っかかってきていた。写真を見て取り巻きのお友達が慌てていたのはきっと、彼女が好きで好きでやまなかった男が、よりにもよって自分がつっかかっていた相手を選んだからだろう。  
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