..Chapter003,

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  「したの?」 「なにを……?」 「セックス。こんなこと言うのははしたないかもしれないけど、今の彼女のあなたに言っておこうと思って。彰、上手なのよ。ハルカ以外とはしたくないって、言ってくれて嬉しかったわ。どうせあなた、したことないんでしょう? 彰、処女はキライって言ってたわよ。大丈夫? あら、余計なお世話だったかしら」 「……したよ。もちろん、はじめてだった。彰くん、言ったよ。もうわたしを離さない、って」 「…………!」  安西さんは穏やかだった表情を一変させると、ゴミ箱の中身をわたしにぶちまけた。わたし自身、自分が違和感ばかりの昨日を思い返すのは嫌だったけど、彰くんをまだ好きだというこの人に負けたくない、って思ったんだ。そうでないと、わたしは、潰れてしまう。  
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