..Chapter004,

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   学校が冬休みに入り、わたしは一日中部屋どころか、ベッドから出ない日々が続いた。学校へ行かなくていいということが嬉しくて仕方なかったんだ。両親は部屋に引きこもるわたしを心配していたけど、体調が悪いからそっとしておいてほしいと言えば、それ以上は何も言わなかった。クリスマスも、年末も、お正月も。わたしは誰とも関わらず、暗くて暖房だけは効いた部屋でぼんやりと過ごしていた。  でも、ふと寂しくなって携帯の電源をつけた。 ―― 着信あり:145件 新着メールあり:562件  見たことのない数の着信に現実味がなくて、わたしはぼんやりとメールを確認した。そのほとんどが、安西さん関連のいやがらせとメールマガジン。それでも、その中に彰くんからのメールが混じってる。それを別のフォルダに移し替えて、上から順番に開いていった。  
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