..Chapter004,

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   嘘でもいいから、この言葉に縋りつきたいと思った。  たまらなくて、怖くて、嬉しくて涙が出た。  それからわたしは堰を切ったように話し始めた。携帯の充電が切れたことを示すピピッという音が聞こえてはじめて我にかえって自分でも驚いた。あの日感じていたこと。安西さんのこと。自分の中に芽生えてた矛盾。今日まで何してたか。何を思っていたか。彰くんは黙って聞いてくれていた。机の置くにしまったままだった充電器を慌てて携帯にさして、一言謝った。  
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