..Chapter004,

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  『ハルカ、そんなことになってたんだ……結にそんなこと……俺……てかマジごめん……』 「ねえ、わたしずっと不思議に思っていたことがあるの。はじめてバスで会った日。何で彰くんはわたしのことをしってたの? 探してたって、一目惚れしたって……」 『二学期のはじめに遠足へ行ったんだろ? そのときの集合写真をハルカに見せてもらった。そのときは……今こんなこと言ったら結はまた混乱して俺に失望してしまうかもしれないけど、ごめんね。そのときはまだ、ハルカが好きだった。でも、写真の右端に君を見つけた。みんな楽しそうで、笑顔で写ってるのに、結だけはむすっとしてさ。でも、可愛いなあと思った。結のことを見てるの、ハルカは気付いた。ハルカ、怒るかと思ったら教えてくれたんだ。この子は仁科結って言って、暗いしなんかイヤな子だ、つまらない、ってな』 「その通りだよ。わたしなんて……」 『気になって仕方なかった。結、暗くてもなんでも笑ってれば可愛いの。笑ってなくても、愛おしくて仕方ないんだ……。瞼の裏にむすっとした結の顔が焼き付いて、会ったこともないのに君のことばかり考えるようになった。その綺麗な目に吸い込まれてしまったんだね。やがてハルカへの気持ちを上回った……』  
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