..Chapter000,

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   もしかしたらそれらは多分喜びとかだったのかもしれない。それを共有できなかったから、わたしは、一人ぼっちになってしまったんだろう。自分の裕福で“しあわせ”なバックグラウンドを自慢するイヤミな子としてみんなに認識されてしまったんだろう。お母さんが与えてくれた高級なクッキーやアイスクリームのやわらかい甘さも、馥郁とした香りも、子供なんかにわかるわけがない。美味しいなんて思ったことは一度もなかったよ。  でもきっと、そんなことを言ったところで、誰にも理解されない。  
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