..Chapter004,

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   父も、母も。冬休み中のわたしの異変と併せて心配してくれたけれどわたしは首を振った。三月までは。卒業まで耐えればそれで終わるはずだ。  二日休んで再び学校へ戻ったら、わたしへの嫌がらせはピタリと止んでいた。  安西さんは、彰くんと付き合いだしたんだってわたしに聞こえるようにキャーキャー騒いで居たけれど、もうわたしには関係のない話だ。  すぐに新しい携帯を買ったけれど、彼から連絡が来ることはなかった。本当に終わったんだな、って思うと寂しくて、部屋に飾ってあったぬいぐるみも写真も全部一緒くたにゴミ袋に詰めて、ゴミ捨て場に捨てに向かった。……さようなら、大切だった人。  
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