プロローグ

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俺なんかは常習犯だったからなんとも思わないが、真面目な奴なのだろう… この時間にひとり教室に入っていくことに抵抗があるのだ。 女の子「うんうん…」 何かを自分に言い聞かせるように、目を瞑って、こくこくと頷いている。 女の子「………」 そして少女は目を見開く。 じっと、高みにある校門を見つめた。 女の子「この学校は、好きですか」 朋也「え…?」 いや、俺に訊いているのではなかった。 妄想の中の誰かに問いかけているのだ。 その彼(あるいは彼女)は、どう答えたのだろうか。 女の子「わたしはとってもとっても好きです」 女の子「でも、なにもかも…変わらずにはいられないです」 女の子「楽しいこととか、うれしいこととか、ぜんぶ」 女の子「ぜんぶ、変わらずにはいられないです」 たどたどしく話し続ける。
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