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腹が痛くなって、居たたまれなくなって…
俺は家を飛び出すのだ。
だから顔を合わせないよう、親父の寝入る深夜になるまで家には戻らない生活をずっと続けていた。
明け方に寝るから、目覚めるのは昼近く。
高校に入ってからの俺は毎日のように遅刻だった。
そんな生活を続けて三年近くになる。
今日も制服だけ着替えて、親父が帰ってくる前に折り返し家を出る。
それが体に染みついた日常だった。
夜の町をうろつく。
最後に行き着く場所はいつも同じだ。
行きがけにある弁当屋で、夕飯となる弁当を買い求めた後…
それを手に、学校の坂下に建つ学生寮へ。
うちの学校は特に部活動に力を入れているため、地方から入学してくる生徒も多い。
そんな生徒たちは親元を離れて、ここで三年間を過ごすことになるのだ。
俺のような学生生活に夢を持たない人間とはまったく違う人種。
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