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外が白一色になった3学期始業式の日、そいつはやってきた。
「今日は転校生がきたぞ。男子諸君、喜べ!かわいい女子だ!」
まあ、子供に見せてはいけないDVDを職員室の机に堂々と見せている担任のことだからきっと、相当かわいいのだろう。
と、想像をしていると前方の扉が勢い良く音を鳴らし、開く。
スカートとカーディガンで入ってきたそいつは、窓際の一番後ろの俺の席でも分かるほど……………その………なんだ…………アレが豊満だった。
俺のファーストインプレッションを壊すように、教卓を叩く転校生。
「わたくしは、西蓮寺桜と申します!本日づけで麗羅学園中等部へ転入してまいりました!」
転校生――西蓮寺は、なぜか怒り口調で自己紹介を終えた。どこぞの学校非公認組織の団長ばりの挨拶だな。
西蓮寺はそのまま、俺の方向に向かってきた。正確には俺の隣の女子に、だ。
「あなた、そこどいてくださらない?わたくしの席を差し上げますわ」
当然、俺の隣の女子――柏原由香(かしわばら ゆか)は動こうとはしない。しかし、先生の頼みも手伝い、席を移動した。
こうして、俺の隣は某テクノポップユニットの一人のようなあだ名がつけられている女子から、挨拶でぶっかましてくれた西蓮寺へと変わった。
ここまでならまだよかったんだが、このあとこいつはとんでも発言をする。
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